新中計は利益優先も保守的、利益目標は「最低ライン」

今後の見通しも確認しましょう。まずは今期(26年3月期)の計画を解説します。

今期は増収および営業増益を見込みます。営業増益は主力の板紙・紙加工関連事業がけん引する想定で、費用の増加を数量および価格の改善でまかなう計画です。

なお、純利益は大きめの減益を予想しています。前期は特別利益に負ののれん発生益として53億円を計上しており、このはく落が最終減益の主な要因とみられます。今期も都市計画に伴う補償金の受け取りといった特別利益が発生していますが、不確定要素が多いとの判断から通期予想は据え置かれています。

【レンゴーの業績予想(26年3月期)】

・売上高:1兆50億円(+1.2%)
・EBITDA:1029億円(+6.0%)
・営業利益:400億円(+6.9%)
・経常利益:400億円(+2.1%)
・純利益:240億円(-17.2%)
※()は前期比
※同第3四半期時点における同社の予想

出所:レンゴー 決算短信

続いて、より長期の見通しも確認しましょう。レンゴーは25年5月、30年3月期を最終とする中期経営計画を公表しました。売上高は1兆2000億円、営業利益と経常利益はそれぞれ700億円および720億円を目指す計画です。

経常利益率は6%(25年3月期:3.9%)に達しますが、同水準は「最低ライン」と説明します。数値目標は保守的な設定にとどめた模様です。

レンゴーの主な損益目標(~2030年3月期)
 
出所:レンゴー 統合報告書(別冊)財務データおよび中期経営計画より著者作成
 

年平均成長率で見ると、売り上げの成長は鈍化する計画です。一方で利益成長は加速する見通しとなっています。同社では「利益を高めることを最も重視する」とコメントしており、今後は利益率の改善に注目したいところです。

【レンゴーの年平均成長率】

レンゴーの年平均成長率を表した図表
 

※EBITDA…利払い前、税引前、減価償却前および償却前利益

出所:レンゴー 統合報告書(別冊)財務データおよび中期経営計画
 

概観すると、損益はおおむね基調的な成長が続くとの計画です。財務も改善が進む見通しで、DEレシオ(負債資本倍率)は0.7倍までの低下を見込みます。

【レンゴーの主なバランスシート目標(~30年3月期)】

・自己資本:5900億円(25年3月期:4640億円)
・有利子負債:4300億円(同4485億円)
・DEレシオ:0.7倍(同1.0倍)
・自己資本比率:43%(同37.3%)

出所:レンゴー 中期経営計画