米国金融政策:3月FOMCとドットチャートの修正

一方、金融政策においては、ややドルサポートの動きが見られました。1月のFOMCにおいて、政策金利据え置きとの決定に対して反対票を投じるなど、ハト派とされるウォラー理事が2月の雇用統計でも1月分と同様に、予想を上回った場合、3月のFOMCにおいて据え置きに同調する姿勢をみせたのです。

前回の結果が下方修正されるなど改善の兆しが立ち消えとなった場合は、25bpの利下げを主張した前回の判断が正しかったことになるとも発言しており、次回の雇用統計が重要です(スライド6)。

 

次回3月のFOMCでは据え置きがほぼ確実視されています。それだけに参加者による政策金利の予想分布図であるドットチャートに注目です。前回12月のドットチャートにおける今年12月の予想中央値は3.375%でした。現在の政策金利が3.625%ですからこれは1回の利下げを示唆しています。

一方、19人の回答結果にはかなりバラツキがあり、その総意をみる上では加重平均値の変化にも注目です。前回は3.296%と中央値よりやや低く、1回以上の利下げを示唆する内容でした。ウォラー理事の発言にも見られる通り、次回は全体的に利下げの見方が後退し、中央値、加重平均値が全体的に上方修正された場合、ドル買い材料となるでしょう(スライド7)。

 

もっとも、ドルについては慎重な見方をしています。例えば、昨年2025年はドル指数が約9.4%下落しましたが、その材料の多くが赤字で記したトランプ大統領の政策や言動に起因するものだったからです。支持率が低迷したまま中間選挙を控える中、今後もトランプ大統領の政策や言動がドルを下押しする場面が時折見られそうです。実際、今年に入ってからベネズエラでの軍事作戦やグリーンランドの領有をめぐる欧州との対立がありました。

また、足元ではイランとの緊張が高まっています。このイランとの緊張激化は「有事のドル買い」となることも予想され、必ずしもドルに対してネガティブに作用するわけではありませんが、引き続きトランプ大統領を材料とするドル安に要注意です(スライド8)。