運用哲学と組織哲学の両輪がアクティブ運用の肝
――足元ではAIバブルに対する懸念もささやかれるようになっていますが、IT・AI関連銘柄への投資に死角はないでしょうか。
確かにその懸念も理解できます。しかし、AIバブル崩壊という観点からも、Alphabetは興味深い特性を有しています。仮にAIバブルが崩壊した場合、世界の検索トラフィックの9割を握るGoogleの基幹ビジネスである検索広告がより盤石になります。逆にAIバブルが杞憂に終われば、生成AIサービスの中でGemini はトップランナーの1つでもあるわけですから、どちらに転んでも問題ないと見ています。
当社が定義するリスクは「資本の恒久的損失(パーマネントロス)」ですが、これを最小化する最も有効な手段は安く買うことです。安く買えていれば、仮に判断が間違っていたとしても損失は限定的であり、正しければリターンはより大きくなります。マクロリスクに対する懸念はもっともですが、徹底的なファンダメンタルズ分析に基づいて本源的価値を査定し、価値に対して大きく割安にエントリーする姿勢がより重要と考えています。
──それでは、どのような視点でアクティブの運用会社を選ぶべきでしょうか。
本来、パッシブのリターンに勝つことはそれほど難しいことではないはずです。インデックス構成銘柄から魅力的でない1企業を除外するだけでも、理論上はパッシブを上回れます。しかし、現実には約8割のアクティブファンドがパッシブに負けているという事実があります。
その理由は、組織哲学が整っていないからだと考えています。いかに優れた運用哲学を有していても、例えばオーナーの入れ替わりなどでうまく機能しなくなることは投資家の間でも耳にするのではないでしょうか。つまり、アクティブ運用が長期的に成立するには運用哲学はもちろん、優れた組織哲学という両輪が必要なのです。