投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、常陽銀行。

常陽銀行の投信売れ筋ランキング(販売件数)の2026年1月のトップは前月第5位だった「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」がジャンプアップした。前月トップだった「日経225ノーロードオープン」は第2位に後退し、第3位には前月第7位だった「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」、第4位には前月第9位だった「WCM 世界成長株厳選ファンド(資産成長型)」が上がった。また、トップ10圏外から「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)」が第5位に食い込んだ。一方、前月は第2位だった「のむラップ・ファンド(普通型)」は第6位に、第3位だった「のむラップ・ファンド(積極型)」は第7位に下がった。「ゴールド」や「成長株」などリスクを積極的に取るタイプのファンドの順位が上がり、バランス型の安定運用ファンドが順位を落とした。

※常陽銀行サイト「投資信託ランキング一覧」の「販売件数ランキング」に基づき編集部作成。期間:2026年1月。
https://www.joyobank.co.jp/personal/invest/toshin/ranking.html

リスクオンでリターンに優れたファンドが人気化

常陽銀行の投信売れ筋(販売件数)ランキングのトップに立ったピクテ・ジャパンの「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は、従来のトップであったアセットマネジメントOne が設定する「日経225ノーロードオープン」と比較するとリスクの水準が格段に高い。同ファンドは、純金(ゴールド)の価格の推移と同じ動きになるように運用するファンドだが、まず、配当が期待できる株式と違ってゴールドは保有しているだけでは収益を生まず、決済した差益でしか収入にならない。また、傾向としてゴールドの価格変動率は株式よりも大きい。さらに、「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」の場合は為替ヘッジをしていないため、為替変動リスク(円高が資産価値にマイナス効果)がある。ただ、2026年1月末時点で過去1年間のリターンが90.0%とほとんどの株式ファンドの成績を大幅に上回る(「日経225ノーロードオープン」は36.3%)ために人気化している。

そして、第3位と第4位になった朝日ライフアセットマネジメントが設定する「WCM 世界成長株厳選ファンド」は、国内を含む全世界の株式の中から30~50銘柄に絞り込んで投資するため、同ファンドを実質的に運用するWCMインベストメント・マネジメント・エルエルシー(所在地:米カリフォルニア州ラグナビーチ)の企業調査力や運用力の影響を強く受ける。2026年1月末時点での過去1年間のリターンは41.4%と全世界株式(オール・カントリー)インデックスファンドの21.7%を大きく上回る成績を残しているために評価されているが、投資銘柄が36銘柄と少ないだけに選択を間違ったときにパフォーマンスが急速に悪化するリスクがある。また、組み入れの中心は海外の銘柄になるため、為替リスクもある。

このように、高いリターンをあげているファンドを積極的に評価しようという動きが強まったのが、1月のランキングの特徴といえる。実際に1月の半ばまでは、米「S&P500」をはじめ、国内の「日経平均株価」、「TOPIX(東証株価指数)」、英「FTSE100」、ドイツ「DAX」など主要先進国の主だった株価指数は軒並み史上最高値を更新し、NY金先物も最高値更新、さらに、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も史上最高値を更新するなど市場全般のムードが上げ基調だった。ただ、1月末に金価格が急落し、暗号資産の価格も大きく下落したことで2月に入るとリスク資産に対する慎重な見方が一段と強まってきている。