プラチナは長期的に見て、金のようにはなれない?
一方、プラチナ価格が低迷したのは、プラチナが中央銀行の準備資産と見なされていないからです。
前述したように、プラチナは可採埋蔵量、採掘総量の両方において、金よりもはるかに規模が小さいため、いざという時に市場で売却して自国通貨を支えたり、外貨決済を行ったりするのに適していません。金は準通貨としての機能を持っていますが、プラチナはどちらかというと、工業原材料の性質を強く有しているのです。
そのため、直近でプラチナ価格が急騰している理由も、どちらかというと工業原材料としての要因が強く現れています。
プラチナは自動車の触媒に用いられていますが、一時期、欧州を中心にしてEV化が加速したことで、プラチナ不要説が高まりました。これもプラチナ価格を下押しした要因ですが、ここに来て完全EV化の動きが鈍化し、ハイブリッド車を含むガソリン・ディーゼル車が再評価されています。結果、触媒の必要性が高まるという理由で、プラチナが買われています。
また、次世代エネルギーのひとつとされる「水素」技術において、プラチナは不可欠な素材とされています。
もちろん、同じ貴金属ということで、金に出遅れたプラチナという観点から、プラチナに注目する投機筋がいるのも事実ですが、工業原材料の性質が強いプラチナは、景気の良し悪しに価格が振らされる傾向があります。
金のように、中央銀行の準備資産としての買いが期待できないだけに、金価格に見られる長期的、かつ強い上昇が続くかと言われると、そこにはやや疑問を感じずにはいられません。
