米利下げは「年3回」も視野に

金融政策に関しては、FOMCの見通しだと2026年に1回、市場の見通しだと2回の利下げと見られていますが、私は3回もあり得ると考えています。3回利下げとはすなわち、政策金利がFOMCで中立水準とされる3%を下回ることを意味します。こうなったときには想定よりも景気が弱かった、あるいはトランプ政権がFRB人事に口出しするなどして利下げ圧力をかけている政治介入が実を結んだと言えるでしょう。いずれにしても通貨安要因ですので、米ドル安のリスクは相応に高まります。

もちろん米ドル安は貿易赤字解消を目指すトランプ政権にとっては都合のよいものです。トランプ政権は第二次世界大戦後のブレトンウッズ体制よろしく、①関税による貿易赤字縮小、②米ドル安政策と基軸通貨としての地位維持の両立、③安全保障政策の費用負担見直し、といった施策を掲げて米国第一のグローバル経済構想を描いています。すでに①の関税政策と③の安全保障政策に関する施策は進展していますが、②の米ドル安政策はこれから本格着手というところでしょう。

ただ基軸通貨である米ドルの価値を下げるというのは非常にリスクの高いことです。実際、トランプ政権によるFRBへの介入を嫌気し、米ドル資産が売られる動きは2025年内に何度も見られました。したがって、来年はドル安政策がずっと続けられるというよりは、「一時的に採用しようとするけれども市場の混乱を受けて手を引く」というような展開が予想されます。

※後編は2026年1月23日に公開予定です。