「機関投資家のような投資のプロは、豊富な資金、専門的な分析ツール、そして圧倒的な情報網を持っている。個人投資家がそんなプロに太刀打ちできるはずがない」――多くの人が、投資の世界に対してこのようなイメージを抱いているのではないでしょうか。
しかし、個人投資家にもプロにはない「肌感覚」という最強の武器があります。その武器を最大限活用すれば、プロを上回る大きな成果を出すことが可能かもしれません。
人気YouTuberでつばめ投資顧問の代表の栫井駿介さんが解説します。
※本記事は1/6につばめ投資顧問にて公開された「プロにも勝てる、個人投資家だけが持つ4つの「最強の武器」—ブルーオーシャンで戦え!」を編集の上、栫井氏による特別コメントを付して掲載しております。
“肌感覚”が個人投資家の強み【特別コメント】
下記のレポートで、機関投資家に対する個人投資家の強みとして、消費者目線の「肌感覚」がある、と書きました。
ここで言う肌感覚とは、難しい分析手法ではなく、日常生活の中で感じる「違和感=おや、と思う感覚」のことです。私は、それを街中で観察することが有効な方法だと考えます。
約2年ほど前のことですが、3COINS(スリーコインズ)を街中でやたらと見かけるようになりました。特に印象的だったのが、人通りの多い駅の改札内に出店しているのを見たときです。改札内というのは、基本的に忙しい人が多く、目的のない買い物をしにくい場所です。そこに店があり、しかも人が立ち寄っている。その光景を見て、「ここまで人気が出ているのか」という“違和感”を覚えました。
こうした肌感覚を得たとき、すぐに業績の推移を確認することです。もし売上や利益が下がり続けていれば、一度立ち止まる必要があります。一方で、右肩上がり、あるいは足元で上向きの兆しが見られるなら、その感覚は数字によって裏付けられます。
さらにPERなどのバリュエーションを確認し、例えば20倍以下など、極端に割高でなければ、投資対象として十分に検討できると判断します。割高でなければ、あるいは株価が急速に上昇していなければ、まだ機関投資家の買いがあまり入っていない可能性があるからです。
もちろん、3COINSはパルグループ全体の一事業にすぎませんから、「会社全体へのインパクトがどの程度か」といった情報を見る必要がありますが、これはそんなに難しいものではありません。全体の売上や利益に占める割合が把握できればよいのです。
小型株投資では値動きが激しくなりがちですが、ここで大切なのは「株価はぶれるが、価値はぶれない」という考え方です。自分の感覚や数字を通じて、顧客が増え、売上が積み上がっていると確認できているなら、事業の価値は着実に増えています。株価の短期的な上下に振り回されず、「株価ではなく事業に投資している」という意識を持つことが、結果的に無謀な判断や過度な損切りを防ぐコツだと思います。
“株を買うのではなく、事業の一部を買うつもりで投資しなさい”
―ウォーレン・バフェット
●損切りについては「「戻るはず」は危険な考え! 買った株が急落した際の投資家心理を専門家が説く」でも解説していますのでご一読ください。
