金投資の魅力はリスクヘッジ
――金投資の魅力はどこにありますか。
まず、「有事の金」とも呼ばれる通り、ショック時への備えとしての機能です。株式が大きく下落した場合、金価格は上昇するか、相対的に下落幅を抑制するという傾向があります。実際に、過去の大きな市場イベントが発生したタイミングでは、ほかの資産と比べてリターンが高かったです(図3)。
図3 ショック時における金と株式と債券のパフォーマンス比較
また、インフレ時のリターンの高さから、インフレヘッジとしての機能も期待できます(図4)。インフレが穏やかなタイミングでは株式よりもやや低いリターンになりますが、高インフレ環境下では株式よりもリターンが高まります。こうしたインフレヘッジの機能をもつ資産はほとんどなく、金の大きな魅力です。
図4 インフレ期における金のリターン
――個人投資家はどのように金に投資するのが良いでしょうか。
金の長期的なリターンは、株式よりやや低い程度と債券など主要な資産と比べて高い水準にあります(図5)。危機時や高インフレ時に輝く資産であることからも、長期で保有することを前提にすべきでしょう。
効果的な資産配分としては、ポートフォリオの成熟度合いによって変わるので一概には言えませんが、例えば機関投資家のような成熟したポートフォリオであれば5~10%ほど組み込むと分散効果が期待できます。個人の投資家であれば、それよりも少し多い割合にすると良いでしょう。
図5 主要資産とのリターン比較
――今後の金価格を見通す上で重要になるポイントを教えてください。
金は、世界的なマクロ経済環境の変化に反応して価格が変化する資産だといえます。先述の通り、金は米ドルの代替として選好される資産のため、米ドルの信認低下に対するリスクを分散していると考えることも可能です。こうしたトレンドが続くと考える投資家には金も選択肢の一つとなるでしょう。
また、アジア地域の経済動向とも関連性が強い資産です。中国やインドでは宝飾品としても昔からなじみが深く、こうした国の経済成長も金価格の上昇の背景にあります。実際に、近年最も金の需要が伸びたのはアジア圏でした。リスクを避ける役割を持たせながら、アジアの成長を取り込むことが期待できます。
