債券の中でも利回りの高い「グローバル社債」に注目が集まる

そもそもリスクの高いファンドが少ない売れ筋ラインアップの中で、よりリスクに備えた商品が選ばれる時に、株式ではなく債券に投資するファンドが人気化した。ランク上昇した「GSグローバル・パーシャルヘッジ社債ファンド」は、国債よりも高い利回りが期待できる社債を主たる投資対象とし、さらに国内より高い利回りが期待できるグローバル社債を選ぶ。一見、高リスク思えるが、為替リスクを低減するために為替ヘッジを基本としている(ただ、為替ヘッジにはコストがかかるため、状況に応じて部分的に為替ヘッジをかける)など、ある程度リスクに備えた商品設計だ。2025年の年初からのパフォーマンスでは、4月の「トランプ関税ショック」の折にやや基準価額が沈み込む場面もあったが、12月10日現在では株式を組み入れた「SMBC円資産ファンド」よりも高いリターンを残している。

11月の米国株価は横ばいで、国内株価は「日経平均株価」が4%程度の値下がりになるなど、株式市場が調整局面となった。不安定な株式市場の動きを前に、リスクに慎重な姿勢が強まったといえるが、この傾向が12月以降も継続するのか注目していきたい。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩