世帯年収でダブルスコアの差…姉に抱く複雑な想い
実妹からすれば面白いわけはありません。
言わせてもらえば、私だって地元の女子高ではクラスで5番以内に入る成績でした。そして、都内の女子大に進んだ後、地元に戻って中学校の教師になったのです。
旦那は中学時代の同級生で、義父の司法書士事務所を義兄と一緒に手伝っています。出産を機に私の実家を二世帯住宅にして、両親と同居するようになりました。1階は両親、2階は私たち夫婦と小学5年生になった娘の愛莉と生活スペースを分けています。
地元の友人には「公務員で失業リスクはないし、二世帯住宅だから住宅ローンも安い。おまけに自分の親と同居して子供の面倒まで見てもらえるんだから安定だね」と言われますが、とてもそうは考えられません。どうしても姉と比べてしまうからです。
姉は旦那も5歳上のキャリア官僚、小学校から私立に通う甥の陸人は愛莉と同級生です。姉夫婦の世帯年収は2000万円以上あるはずですが、私は同世代の地方公務員の平均的な収入ですし、加えて、うちの旦那は家族経営で給料を安く抑えられているので、2人合わせても年収1000万円に届きません。
結婚してからは特に、姉との経済格差を思い知らされるような出来事が何度かありました。
最たるものが、姉夫婦が10年ほど前に購入した都内のタワーマンションです。数えるほどしか行ったことはありませんが、モダンな内装や広く取った窓からの眺望は都心のラグジュアリーホテルのようでした。
車だって義兄が乗っているのはボルボ。我が家は旦那と私が1台ずつ所有していますが、2台ともリーズナブルな国産の軽自動車です。
陸人が保育園から私立小学校を受験した時も驚きました。姉は出産後ろくに育児休暇も取らず復帰し猛烈な勢いで働いており、ベビーシッターと定期契約をしていると聞いていました。そんな中で甥を幼児教室や受験塾に通わせていたようです。
母に合格を知らせてきた時、電話を替わった私が「さすがに小学校は公立かと思ってたよ」と嫌みを言っても、姉は「職場の人たちが私立だからね」と澄ましたものです。
「有名私立の小学校って、お母さんが専業主婦でないと難しいって言われてたじゃない? でも、今はそうではないらしいの。共働きのお母さんが増えてきたので、お弁当サービスをしたり、学童保育をしたりしてくれるみたいよ。時代が変わったのよね」
母が姉からのまた聞きをもっともらしく話して聞かせるのもむかつきました。
