各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、アイザワ証券のデータをもとに解説。
アイザワ証券の投信売れ筋ランキングの2025年10月のトップに立ったのは前月と同じ「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(設定はインベスコ・アセット・マネジメント)だった。第2位には前月第5位から「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」(ピクテ・ジャパン)が、第6位には前月第8位から「モルガン・スタンレーグローバル・プレミアム株式(為替ヘッジなし)」(三菱UFJアセットマネジメント)が上がった。また、トップ10圏外から「ベトナム・ロータス・ファンド」(ファイブスター投信投資顧問)が第9位にランクインした。
大型ハイテク株以外の選択肢は?
アイザワ証券の売れ筋ランキングが変動している。トップを維持している「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」は引き続き強いものの、前月は第2位だった「ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月)為替ヘッジなし」(ピクテ・ジャパン)は第4位に後退し、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Dコース(為替ヘッジなし)予想分配金」(アライアンス・バーンスタイン)は第5位に下がった。また、「iFreeNEXT FANG+インデックス」(大和アセットマネジメント)が第8位に、「たわらノーロード先進国株式」(アセットマネジメントOne)が第10位に後退するなど、主に米国大手テクノロジー株式の成長に期待して買い上げられてきたファンド群の人気が衰えている。
一方、「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」、「モルガン・スタンレーグローバル・プレミアム株式(為替ヘッジなし)」、「ベトナム・ロータス・ファンド」など、従来とは異なる資産クラスや大型ハイテク・グロース株とは異なる視点で銘柄を選定するファンドの人気が高まっている。
純金(ゴールド)価格に連動する「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は株価との相関性が低い。また、「ベトナム・ロータス・ファンド」など新興国の株式は米国株など先進国株とは異なる理由で株価が動くことが少なくない。そして、「モルガン・スタンレーグローバル・プレミアム株式(為替ヘッジなし)」は先進国の株式を投資対象としながらも持続的なキャッシュフローの創出力を評価するアプローチで銘柄を厳選しているため、組み入れ銘柄上位にドイツの「SAP」や米国の「VISA」、英国の「レレックス」、米国の「コカ・コーラ」などに投資している。従来の「エヌビディア」など半導体株や「アマゾン」、「メタ・プラットフォームズ」などハイテク大手に投資していたファンドとは銘柄選定姿勢が違う。

