無理のある資産形成、生きがいのない早期リタイアには注意
ファイナンシャル・ウェルビーイングの観点では、現在および将来のお金の不安をなくすことが幸福度の向上につながると考えます。お金の残高が多いことは原則としては幸福度向上につながります。
やはりお金のストレスをなくすことは大きく、「子どもの学費負担がない」とか「住宅ローン返済の心配がない」「老後のお金の心配がない」のような人はファイナンシャル・ウェルビーイングの観点では幸福度が高まります。
FIREを実行するに十分な資産を持ちながら、少しゆるめに働いている人もいて、これをサイドFIREなどと呼ぶことがあります(先ほど紹介のFIRE卒業者もこのパターンが多いようです)。FIREの「FI(経済的な独立)」を果たしたうえで、あえてリタイアはしないというわけです。
こういう人は、年収にこだわる必要はありません。仕事を通じた幸せの追求や、人とのつながり、社会的な充実を純粋に楽しめるわけで、確かにウェルビーイングの高い生活が送れるかもしれません。
もしあなたがFIREに興味があるようでしたら、無理のある投資、無理のある節約には注意して、積極的な資産形成に取り組んでみてください。経済的な余裕を作ることが、ウェルビーイングな状態を高めることは間違いないからです(たとえ早期リタイアには至らなかったとしても)。
同時に、「FIREチャレンジ期間のウェルビーイング」――友人関係、家族関係、そして趣味なども大切にしながら資産形成に取り組んでほしいと思います。
FIREチャレンジ中も、実行後も、資産残高だけがあなたの幸せではないのですから。
