「ゴールド」を上回る「ゴールド・メタル」

野村證券の売れ筋ランキングで10月に新規ランクインした「ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンBコース」は、南アフリカ、オーストラリア、カナダ、アメリカ等の金鉱企業(主に金の採掘や精錬などを行う企業)を中心に鉱業企業(貴金属、一般非鉄金属の採掘や精錬などを行う企業)の株式に投資するファンドだ。純金そのものの価格に連動する「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」とは異なるものの、金鉱企業の業績は純金価格との連動性が高い。また、金鉱株等は株式の価値(1株当たり利益や純資産額など)によって他の株式との比較が行われ、株式としての価値によって株価が動くこともある。

2025年9月末時点での国別構成比率は、カナダが66.0%、米国9.6%、英国9.2%、オーストラリア8.9%などとなっている。カナダの「バリック・マイニング」「アグニコ・イーグル・マインズ」「キンロス・ゴールド」など、米国の「ニューモント」、英国の「エンデバー・マイニング」、オーストラリアの「ノーザンスター・リソーシズ」などの鉱業株に投資している。「S&P500」や米国成長株を主力にしたアクティブファンドとは大きく異なる銘柄群になっている。また、パフォーマンスをみると、純金価格の動きを示す「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」との連動制の強さが感じられるが、2025年8月以降に「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」を大きく引き離して上昇している。

同ファンドの最新の月報では、「(金鉱株の)生産コストが2021年から2024年の間に大きく上昇し、金価格の上昇に加えて生産コストが安定してきていることから、今後の利益率の見通しについて非常に肯定的に見ている」としている。ファンドのパフォーマンスには純金ではなく金鉱株に投資しているメリットが出てきているようだ。今後にも楽しみがあるファンドといえるだろう。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩