有価証券報告書の強み
企業が作成する決算説明のプレゼンテーション書類ばかりを読む人がいますが、私はあまりお勧めできません。なぜなら、これらの資料には法的背景はなく、もちろん虚偽を書くと問題になるのですが、悪い情報を開示する義務はありません。したがって中立性に欠けたものになってしまいがちだからです。
私は年間に何十何百という会社の有価証券報告書を読みますが、読み慣れてくると1社30分もあればその会社のことが理解できるようになります。何がどこに書かれているかということはフォーマットで決められているので、文字がたくさんあるように見えても、ポイントさえ押さえればさほど時間はかからないのです。
もっと言えば、その会社の特徴だけでなく、有価証券報告書に書かれている文章から経営者の「想い」が滲み出ているものも見つけられるようになってきます。そういった会社の業績は長期で伸び続けることが多いですし、もちろん株価もそれについてくることになります。
一見遠回りに見えるやり方ですが、一度マスターしてしまえば怖いものはありません。ぜひ企業のホームページや金融庁のサイト(EDINET)からダウンロードして読むことをお勧めします。
【有価証券報告書のメリット】
・すべての上場企業のものが無料で読める
・会社に関するあらゆる情報がまとめられている
・法的拘束力があり中立性が確保されている
・フォーマットが決まっているので慣れると読みやすい
・よい会社は経営者の想いが滲み出る
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著者名 栫井駿介
発行元 クロスメディア・パブリッシング
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