短期プライムレートに連動する住宅ローン
変動金利型の住宅ローン金利は、一般に各銀行の短期プライムレート(銀行が優良企業向けに貸し出す短期貸出基準金利。「短プラ」と言う)に連動して決まります。そして、この短プラは日銀の政策金利に影響を受けます。
2024年7月に日銀が政策金利をプラス0.1%からプラス0.25%に引き上げたのを受けて、メガバンク3行はそろって短プラを年1.475%から1.625%へと引き上げました。
さらに日銀は2025年1月にも政策金利を0.5%まで引き上げ、短プラは1.875%に達しています。
このような利上げの動きは、変動型住宅ローン金利の上昇圧力となります。実際、一部の銀行では利上げに合わせて店頭金利(基準金利)を引き上げ始めています。
もっとも、銀行間の競争が激しい住宅ローン市場では、銀行側もそう簡単に金利を上げられない事情があります。2023年の短プラ上昇時にも、基準金利を上げつつ金利優遇措置(金利引き下げ幅)を拡大し、実際の適用金利を据え置く動きが見られました。
そのため、今のところ、メガバンクの店頭変動金利は年0.5~0.7%前後と、利上げ前と比べてまだ大きくは変わっていません。
しかし、この先、日銀がさらに利上げを行えば、各行の対応次第では徐々に変動金利の適用金利が上昇するリスクがあります。
特に変動金利ですでに住宅ローンを利用している人は、今後の金利の動向をよく見ておく必要があるでしょう。

