売れ筋ファンドのパフォーマンスが年初来12%に収れん

みずほ銀行の売れ筋トップ10の主なファンドのパフォーマンスを調べると、2025年10月10日時点で年初来の騰落率が12%前後の水準に収れんしている。売れ筋トップを続けてきた「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」の12.32%を軸にして、それを上回る「キャピタル世界株式ファンド」が13.12%、下回る「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」が11.17%になっている。その他は「netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」が12.74%、「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」が12.08%だ。

年初からの推移を振り返ると、4月の株価急落時に「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」の値保ちの良さが際立ち、その後、「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」の戻りの速さなどが目を引いたものの、欧米や日本の株価が最高値まで上昇した10月時点になってみれば、どのファンドも12%程度の上昇にそろった。それぞれが特徴のある運用姿勢で運用し、まして、「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」は株式だけでなく、債券やコモディティにも分散投資している。それでも運用の結果としてのパフォーマンスは株式ファンドでネット関連に投資対象を絞ったテーマ型である「netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」も含めて年初来で同じような運用成績になった。

10月10日は、その夜の「S&P500」が2.7%下落し、「NASDAQ総合」は3.5%安の急落となった。何もかもが同じようなパフォーマンスの水準にそろってしまった煮詰まり感が株価の急変につながったのかもしれない。株価は下落方向に大きく動いた。今後の方向が下方向でないかどうか、引き続き動きに注目していきたい。

執筆/ライター・記者 徳永 浩