「プライム150」採用の背景は? 利益成長と資本引き締め策が奏功
JPXプライム150指数に採用されるには、前提として時価総額基準をクリアする必要があります。同指数は、一定のプライム銘柄のうち、時価総額の上位500銘柄が候補となります。
パルグループホールディングスはJPXプライム150指数の算出当初、時価総額は1500億円前後でした。初採用された入れ替え基準日においては3100億円にまで増加しています。同社の業績は拡大傾向にあり、投資家の買いが向かったことで株価が上昇し、時価総額基準をクリアしたものと考えられます。
そして、最終的にパルグループホールディングスが採用された決め手は資本収益性基準です。ROE(自己資本利益率)が8%以上の企業を対象に、対資本の利益率が高いと認められる銘柄を採用するものです。同社のROEは25年2月期で17.6%と高く、東証プライム市場の小売業134社の平均9.13%(24年度)を大幅に上回ります。
高水準のROEは利益の成長が主因ですが、それだけではありません。資本の引き締め策も貢献しています。たとえば、パルグループホールディングスの純利益は25年3月期までの10年で累計596億円に達しますが、自己資本の増加額は366億円にとどまります。
自己資本の蓄積が緩やかな理由は株主還元です。純利益は自己資本に積み上がる一方、株主還元は自己資本を減少させます。パルグループホールディングスの配当性向はコロナ禍で純利益が急減した21年2月期を除き、30~60%台と比較的高い水準で推移してきました。さらに自社株買いも断続的に実施しています。これにより、自己資本は相対的に増加が抑えられています。
利益の成長と株主還元の双方が働いた結果、ROEが改善し、結果としてJPXプライム150指数に採用されたものと考えられます。