トップは愛知県の東春信用金庫

投資家が金融機関を選択する際に各社を比較できるよう共通の指標(KPI)を設定し、公表することを金融庁では推進している。運用商品のリスクや販売手数料等のコストに見合ったリターンを長期的に確保できているかを「見える化」する指標だ。

投資信託については運用損益別顧客比率がその一つであり、比率が高いほど投資信託でリターンを得ている顧客が多いことを表す。この指標を公表し、金融庁に報告を行った信用金庫・信用組合・労働金庫などのうち、運用損益率プラスの顧客の割合を見ていこう(2025年3月末基準)。

協同組織金融機関等(運用損益率プラス(0%以上)の顧客割合が高い順)

協同組織金融機関等(運用損益率プラス(0%以上)の顧客割合が高い順)
 
出所:金融庁「投資信託の共通KPIに関する分析」
 

【協同組織金融機関等】投資信託の運用損益別顧客比率ランキング

東春信用金庫:85.2%
愛媛信用金庫:84.2%
奈良信用金庫:83.0%
尾西信用金庫:81.0%
幡多信用金庫:80.0%
静岡県労働金庫:77.8%
中央労働金庫:77.7%
銚子商工信用組合:77.6%
三条信用金庫:74.9% 福井信用金庫:74.9%
のと共栄信用金庫:74.6% 
近畿労働金庫:74.3%
長野県労働金庫:73.7%
埼玉縣信用金庫:73.4% 
浜松磐田信用金庫:72.2%
アイオー信用金庫:72.0% 朝日信用金庫:72.0% 
さわやか信用金庫:71.0%
東海労働金庫:70.6% 
新潟県労働金庫:70.2% 
三島信用金庫:68.6%
西武信用金庫:68.5% 結城信用金庫:68.5%
杜の都信用金庫:68.2%(以下、次ページへ続く)

出所:金融庁「投資信託の共通KPIに関する分析」よりFinasee編集部作成

トップは愛知県小牧市に本店を置く東春信用金庫で85.2%。愛知県北西部を基盤に名古屋市、春日井市などにも店舗網を広げる信用金庫だ。

次いで、愛媛信用金庫、奈良信用金庫と西日本の信用金庫が続く。さらに愛知県北西部(一宮市)に本店を構える尾西信用金庫、高知県四万十市の幡多(はた)信用金庫、この5つの信金までが投資信託の運用損益率がプラスとなっている顧客が80%を超えている。

プラス幅の大きさはグラフの緑色の濃さで表される。トップの東春信用金庫はプラス10%以上~プラス30%未満の顧客の割合が多いことが読み取れる。愛媛信用金庫も同様だ。奈良信用金庫は0%以上~プラス10%未満からプラス50%以上まで比較的満遍なく、尾西信用金庫はプラス50%の顧客の割合が比較的高いなど信用金庫ごとに特徴が表れている。