元本割れは避けたいが、何か対策を取っている?
単身世帯に比べるとリスクを取って増やしていきたい意向がありそうな二人以上世帯。それでは元本割れ対策についてはどうだろう。単身世帯では「何もしていない」が群を抜きトップだったが、二人以上世帯では異なる傾向が見られるのか。
■金融資産をより安全にするためにとった行動(70代二人以上世帯)
70代が金融資産を安全に保有するためにとった行動について、二人以上世帯でも「何もしていない」が66.9%とトップ回答となった。ただし、先述の単身世帯(70.7%)に比べると3.8ポイント低い。
次いで「一金融機関に預けた預金金額が一千万円を超えないように、預入れ先を分散した」が20.7%、「金融商品の安全性に関する情報を収集した」が8.8%で続く。これらは逆に単身世帯よりそれぞれ2.6ポイント、2.7ポイント高い水準だった。家族で話し合っているからなのか、何らかの対策を取っている人が相対的に多いようだ。
元本割れは避けたいが、対策をとっていない人が多い
老後資金を貯める目的がある現役世代と違って、既に老後を迎えている70代。全体的にはリスク性商品を持つことに消極的な人が多いようだ。それもあってか元本割れについても何も対策をとっていない人が多数を占めた。
しかし、一見すると元本割れがないように見える預貯金にも注意が必要だ。金融機関が破綻すれば原則として元本は1000万円とその利息までしか保護されない点は念頭に置いておくべきだろう。最近では物価上昇による資産価値の目減りも気になるところだ。情報収集を行いつつ、預入先や金融商品の分散化を図っていくことが一案だ。
<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査

