株式ファンドそれぞれの現在地

広島銀行の売れ筋にランクインしている株式ファンドは、投資対象資産によってパフォーマンスの水準が大きく異なる。ランクを上げた「次世代米国代表株ファンド『メジャー・リーダー』」は、今年4月の急落以降の回復が顕著なファンドの1つだ。このファンドと比較すると「フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンド」はパフォーマンスの水準が低いにもかかわらず評価が高い。このファンドには、出遅れから今後の活躍期待が高まっているものと考えられる。

一方、もともとパフォーマンスの水準が高かった「netWIN GSテクノロジー株式ファンド」は、4月の下落後の基準価額の回復ピッチも急速だったが、基準価額の水準は昨年12月の高値水準をようやく上回ったところだ。ここからさらに上値を追うように上昇しないと人気を一段押し上げるには力不足なのだろう。また、「日経平均高配当利回り株ファンド」も同様に、4月急落前の水準を9月に入ってからようやく上回ってきている。今後の人気化は、これから一段と上昇する力があるかどうかの見極めだ。

このような株式ファンドの動きの中で、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」の動きは、目立たないながらも着実に下値を切り上げている。基準価額の水準は、以前の過度な分配金の影響を残して2000円台と低くなってしまっているが、毎月1万口あたり20円の分配金を安定的に支払っている。かつての人気ファンドではあるが、安定的な収益を上げる公益企業の株式に投資して、高い配当利回りを原資として分配金を得るというファンドの仕組みは十分に価値のあるコンセプトといえる。パフォーマンスの状態を客観的に見て評価するようにしたい。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩