若者も賃金上昇に懐疑的?
経済成長が続いて賃金が上がっていくことは多くの人の願いだろう。一方で、世論には将来の賃金上昇に慎重な見方があることが分かった。内閣府「家計の消費・貯蓄行動に関する調査」では5年後の給与所得について質問を投げ掛けているが、全年代でみると約4割が「今と変わらない」と回答している。さらに若年層に注目してみると、「変わらない」「低下する」と考える人が約4割という結果となった。
若年層(20代、30代)は他の年代と比較して今後の収入が増えると見込まれる年代だ。20代、30代について別の調査結果を見ると、5年後は「今以上の収入」と答える人が「今より少ない収入」と答える人より常に多い。
5年後の給与所得
しかし「収入が増える」と答えた人の割合は1997年から2012年ごろまでは漸減傾向にあり、その後18年までは徐々に回復。しかし21年にコロナ禍の影響でまた減り、24年になっても戻りきっていない。
つまり30数年ぶりの賃上げに「これからも安定して収入が増える」と思っている人はまだ少なく、控えめな消費傾向につながっている可能性がある。