二人以上世帯が見込む老後生活費は全年収帯で2番目に低い水準

続いて二人以上世帯の結果を見ていこう。

世帯年収別 老後のひと月当たりの最低予想生活費(二人以上世帯)

世帯年収別 老後のひと月当たりの最低予想生活費(二人以上世帯)を表した図表
 
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」よりFinasee編集部作成
 

収入はない                 39万円
300万円未満            40万円
300万~500万円未満         36万円
500万~750万円未満         34万円
750万~1000万円未満       31万円
1000万~1200万円未満     37万円
1200万円以上          39万円

調査によると、年収「500万~750万円未満」二人以上世帯は老後の1カ月あたりの生活費について最低でも34万円かかると見込んでいる。これは全年収帯で2番目に低い金額だった。

なお、最も回答金額が高いのは年収「300万円未満」で40万円。次いで「1200万円以上」(39万円)、「収入はない」(39万円)が同額で続く。もっとも単身世帯と比べると、二人以上世帯では各年収帯で予想する生活費にそれほど大きな差は見られなかった。

老後生活費のシミュレーションを

老後に最低限かかる1カ月の生活費について、年収500万~750万円未満の場合、単身世帯は50万円、二人以上世帯は34万円と予想していることが分かった。

同じ年収帯でも、人数が少ない単身世帯は二人以上世帯より16万円高く見積もっており、意外な印象を受ける人もいるかもしれない。一人暮らしで迎える老後の介護費用などを多めに予想している可能性もありそうだ。また、物価上昇が続く傾向から保守的に見積もっていることも想定される。

当然ながら生活費は人によって異なる。これまでの自分の生活と照らし合わせ、老後はどう変わりそうかという点に目を向けてみると、生活費の見直しが図れるだろう。自分ならではの老後に向けて、できることから始めたい。

●老後の具体的な生活資金源は何なのか。後編「公的年金だけじゃ不安? 「年収500万~750万円未満」世帯が考える老後の生活資金源ランキング」にて詳しく解説する。

<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査