「短期金利+年3%程度」の安心感

三井住友銀行の売れ筋トップ10にランクインした「ライフ・ジャーニー(かしこく育てるコース)」は、世界各国の株式、債券、および、リート(不動産投信)等に分散投資して中長期的な目標リターン「短期金利相当分+年3%程度」をめざすという目標リターン設定型のファンドだ。インフレ(物価上昇)等を考慮しても年3%程度は資産を成長させようという、やや意欲的な目標リターンを設定している。実質的な運用は世界最大級の運用会社である米ブラックロック・グループが行う。分配金(隔月)を年3%程度相当で払い出す「かしこく使うコース」と、同6%程度相当を払い出す「充実して楽しむコース」がある。

「ライフ・ジャーニー(かしこく育てるコース)」の2025年7月末時点のトータルリターンは1年で6.62%、3年で28.56%(年率8.73%)、5年で56.01%(年率9.30%)となっている。同ファンドが意識している短期金利「TONA複利(30日)」が7月末時点で0.477%程度であることを考えれば、「短期金利+年3%」を十分にクリアする成績を残している。この水準を全世界株式インデックス「三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド」の1年トータルリターン15.97%、3年で72.31%(年率19.89%)、5年で162.34%(年率21.28%)などと比較すると見劣りしてしまうが、株式は時に急落するという性質があることを考えれば、比較的安定的にリターンを積み上げていく同ファンドも魅力があると感じられる。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩