年代別の傾向から見る住まい選びのポイント
調査結果から年代別の住宅取得のためのポイントを考えてみたい。
<20代・30代>
・結婚や出産を機に住宅購入を検討する場合は、将来の家族構成の変化を見越した間取りや拡張性を重視する。
・共働き世帯が多い年代であり、通勤の利便性や子育て環境のバランスを考慮した立地選択を視野に入れたい。
・長期的な住宅ローン返済が可能な資金計画を立てる。
<40代>
・子どもがいる場合は成長に合わせた個室の確保や学習スペースなど、具体的な空間ニーズを明確にする。
・「賃貸の家賃が高い」と感じている人は住宅ローンと家賃の比較検討を詳細に行う。
・将来のキャリアが見えてくる年代でもあるため、無理のない返済計画を立てた上で希望する住宅の条件を吟味する。
<50代・60代>
・ 50代では今後の収入と支出を見通し、住宅ローンの完済時期と退職時期のバランスを考慮する。
・60代では「暮らしやすさ」を最優先し、バリアフリー設計や維持管理のしやすさを重視する。
・家族との同居や相続を視野に入れている場合は、その条件や希望を考慮した住宅を選ぶ。
住居面積の拡大傾向から見ると、多くの人が新しい住宅によって居住空間を広げていることが分かる。しかし広さだけでなく、家族構成や生活スタイルに合った間取りや設備も重要な検討要素となる。人によってはテレワークのための在宅勤務スペースの確保など新たな住空間ニーズも考慮すべきだろう。
住宅購入は人生における大きな決断であり、人によって優先すべき条件は異なる。調査結果を参考に、自分にとって本当に必要な住まいとは何かを見直し、後悔のない住宅選びを実現してほしい。
調査概要 調査名:「住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】」 調査主体:住宅金融支援機構 公表日:2025年6月27日 調査期間:2025年4月30日~5月12日 調査対象:2024年10月~2025年3月までに個人向け住宅ローン※の借り入れをした1397人(全国20歳以上~70歳未満、学生・無職除く) ※借換、リフォームローン、土地のみローン、投資用ローン除く)