老後の収入不足への対応策、トップは「節約」

老後の生活を考える時、結局のところ「資産が足りるのか、足りないのか」という収入や貯蓄の実情が気になるという人は多いだろう。内閣府が公表した最新の調査「令和7年版 高齢社会白書」では、全国の60歳以上の男女に収入不足に直面した場合の対応策を聞いた結果をまとめている。

収入不足への対応(全体)を表した図表
 
出所:内閣府「令和7年版 高齢社会白書」
 

【60歳以上】収入不足への対応ランキング 

1位 節約等により支出を減らす 54.3%
2位 貯蓄を取り崩している 40.2%
3位 自分が仕事をして収入を得る 29.4%
4位 資産の運用・売却により必要な収入を得る 12.8%
5位 配偶者が仕事をして収入を得る(※)9.8%
6位 家族、親族から援助をしてもらう(上記※を除く) 5.3%
7位 金融機関等から借り入れる 1.6%
8位 友人、知人等から援助をしてもらう 0.3%
番外 その他 3.3%、特に何もしない 12.3%
*複数回答

出所:内閣府「令和7年版高齢社会白書」よりFinasee編集部作成

結果として最も多かった回答は「節約等により支出を減らす」で54.3%に達した。続いて「貯蓄を取り崩している」が40.2%、「自分が仕事をして収入を得る」が29.4%となっている。

この結果から、高齢者の多くは収入増加よりも支出削減を優先する傾向が強いことが分かる。特に注目すべきは、「貯蓄を取り崩している」が2位に入っていることだ。老後生活において、長年かけて形成した金融資産が重要な役割を果たしていることが分かる。

また、「資産の運用・売却により必要な収入を得る」(12.8%)や「配偶者が仕事をして収入を得る」(9.8%)も一定の割合を占めている。

一方、「金融機関等から借り入れる」(1.6%)や「友人、知人等から援助をしてもらう」(0.3%)という選択肢を選んだ人は少数にとどまった。