安定収益をめざすバランス型の推移

西日本シティ銀行の売れ筋ランキングで上位にランクされている「のむラップ・ファンド」は、国内外の株式・債券、そして、世界リート(不動産投信)を投資対象とするバランス型ファンドで、リスク水準の異なる5つのコースがある。もっともリスク水準が低い「保守型」は、国内外株式と世界リートへの投資比率の上限を50%以内にしている。「やや保守型」は60%以内、「普通型」は75%以内、「やや積極型」は85%以内、「積極型」は制限なしとしている。

2010年3月に設定された「保守型」「普通型」「積極型」の3ファンドについて、設定来15年あまりの平均年率リターンは、「保守型」が3.5%、「普通型」が6.9%、「積極型」が9.4%だった。平均年率リスクは「保守型」が5.5%、「普通型」が9.9%、「積極型」が13.0%となり、それぞれのファンドのリスク・リターンの水準が段階的になっている。その結果、過去15年間で設定来のリターンは、「保守型」が72.6%、「普通型」が183.2%、「積極型」は305.0%になっている。「積極型」の運用成果は15年で約4倍というものだ。

足元の運用成績を見ても、「のむラップ・ファンド(積極型)」は、7月18日現在で、2025年1月の高値を超えている。米国「S&P500」や「全世界株式(オール・カントリー)」連動型のインデックスファンドが1月高値にとどいていないなかで、一足早く高値を超えてきている運用成績をあげられているのは、バランスの良い分散投資と、的確な配分比率の変更が実施された効果といえる。絶対的なパフォーマンスの水準は株式100%のファンドの方が高くなっているが、資産運用で重要なことは長期に過去高値を更新し続ける成長性があるかどうかだ。その点で右肩上がりの運用成績をいち早く実現できている「のむラップ・ファンド(積極型)」は魅力的な投資対象といえそうだ。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩