貯蓄・負債・純貯蓄・収入を年代別に見ると

結果をまとめると以下のような傾向が見られた。

•貯蓄額の推移
◦年代が上がるにつれて貯蓄額は増加
◦70歳以上の世帯が2503万円と最も高い

•負債額のピークと減少
◦30代の世帯で負債額が最も多い(1854万円)
◦年代とともに負債額は減少し、70歳以上では78万円まで低下

•純貯蓄の変化
◦29歳以下、30代、40代の世帯では負債が貯蓄を上回り、純貯蓄がマイナス
◦年代とともに純貯蓄が増加し、高齢世帯では大きなプラス

•収入と持ち家率の傾向
◦年間収入は50代でピーク(871万円)、その後は減少
◦持ち家率は年代とともに上昇し、70歳以上では93.7%と非常に高い

老後の経済的安定3つの要点

この調査データをもとに老後戦略に関する手立てを考えてみたい。

•長期的な資産形成の重要性
◦年代が上がるにつれて貯蓄額が増えるのは長年の積立の成果の可能性がある。特に年齢が若い人ほど長期にわたる資産形成のための時間の猶予がある。

•負債の計画的返済
◦30代でピークとなっている負債(主に住宅ローン)は計画的な返済を行うことより高齢期の安定につながる。

•持ち家の意義
◦高齢世帯の9割以上が持ち家であり、住居費負担の軽減が経済的安定に寄与していると考えられる。ただし返済時に無理がないようローンを組む際には慎重に行う。返済中は借り換えなどの情報にも目を光らせたい。

調査概要 白書名:令和7年版高齢社会白書 調査主体:内閣府 公表日:2025年6月10日