◆インデックスファンドの比較でわかる株式市場の不安定さ
三井住友銀行の売れ筋の上位を占める株式インデックスファンドのパフォーマンスを振り返ると、2025年に入ってからの「三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド」の堅調さと、「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」の過去2年にわたるパフォーマンスの大きさが際立っている。
2023年12月末を基準として2025年7月までのパフォーマンスを振り返ると、トータルリターンでは「三井住友・NYダウ・ジョーンズ指数オープン(為替ヘッジなし)」と「三井住友・225オープン」はほぼ変わらない成績になっている。新NISAのスタートを機に投資を始めた場合は、米国を代表する株価指数である「NYダウ」に投資していても、国内株の「日経平均株価」に投資していても、2025年7月上旬の時点ではほぼ同じような成績だったということだ。
「NYダウ」や「日経平均株価」と比較すると、「全海外株インデックス」(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス・除く日本)はリターンが上回っている。2025年4月の急落後の戻りで差がついた。ドイツ株や英国株など欧州の株価が力強く上昇したこと、また、中国株やインド株など新興国株も負けじと上昇したことなどが「全海外株」のパフォーマンスを引き上げている。このような動きは、2024年末までの「米国株主導」といった株式市場の動きとは異なる流れを感じさせる。
また、実質的に純金(ゴールド)に投資している「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は、2024年以降は一貫して上昇していることがわかる。2025年4月の下落から7月までの戻り相場での上昇率は「三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド」の方が大きいのだが、2023年12月末を基準として1年7カ月でのリターンをみると、圧倒的に「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」のリターンが上回っている。2024年以降は株式市場が不安定な価格推移になっていることが、安定的に上昇している金価格との比較ではっきりとわかる結果になった。
執筆/ライター・記者 徳永 浩