「お客が米を注文するように」(レストラン経営者)
続いて四国の景気ウォッチャーたちによる先行き判断の理由のコメントを深掘りしていく。まずは家計動向関連で先行き判断コメントが多かった順(□不変、▲やや悪、○やや良、以下略)に見ていこう。
スーパー企画「米の価格上昇などに起因する生活に対する不安など、消費者にとっては先行きが不透明である。随意契約による備蓄米の放出など商品や価格が安定することで消費のマインドも上昇するとみられる」(□不変)
観光型旅館経営者「7月から国際直行便が復活するため、当面は宿泊客数が順調に推移するとみられる」(□不変)
一般レストラン経営者「これまではお客に提供する米の原価は余り気にしていなかったが、米の価格上昇が収益を減少させている。また、お客が米を注文することが多くなった。以前は食べないお客が4割ほどいたが、今は1割ほどもいない」(▲やや悪)
設計事務所所長「依然として、マンションの建設棟数が堅調に推移している。下請事業者への価格転嫁が大きく進んだとみられる」(○やや良)
企業動向の先行きは「変わらない」の声が多数を占めた。
電気機械器具製造業経営者「現在、企業や地域は景気上昇に向けて努力している。特に、カーボンニュートラルの件で、バイオマスを利用する動きが地域内で活発化している。この取組が景気の上向きに資するとみられる」(□不変)
広告代理店経営者「芸術祭※、大阪・関西万博等の影響で、旅行やホテル等の観光関係客先の仕事は増加するとみられる。一方、その他の多くの客先は、米国の関税政策の影響が予測できないため、現状維持または経費削減傾向である。したがって、あまり変わらないとみられる」(□不変)
パルプ・紙・紙加工品製造業経理「ゴールデンウィークに外出や掃除をする人が増加したため、ウェットクリーナーの需要が高まり、4月は売上が増加した。しかし、その反動で5月の売上が減少するとともに原材料価格の高騰が続いているため、今後、価格転嫁を実施していく」(○やや良)
なお雇用の先行きについては「やや悪化」の声が多数を占めた。
求人情報誌製作会社経営者「学生向けの短期アルバイト募集が落ち着くタイミングであり、正社員の募集もお盆までは減少傾向にあるため、やや悪くなるとみられる」(▲やや悪)
※瀬戸内国際芸術祭2025…岡山県と香川県の島々を拠点に3年に1度開催される現代アートの祭典。春、夏、秋の3会期に分けて開催される。今年の日程は春4月18日~5月25日、夏8月1日~31日、秋10月3日~11月9日
調査概要 調査名:景気ウォッチャー調査(令和7年5月調査) 調査公表:2025年6月9日 調査主体:内閣府 調査対象地域:北海道、東北、北関東、南関東、甲信越、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄2050人 実施期間:毎月25日~月末