「高価格帯の富裕層向け物件は引き続き堅調」
続いて近畿の景気ウォッチャーたちによる現状判断の理由のコメントを深掘りしていく。
まずは家計動向関連で現状判断コメントが多かった順(□不変、▲やや悪、○やや良い、以下略)に見ていこう。
乗用車販売店役員「今月は新車、中古車ともに販売台数は目標数、前年の水準ともに上回る見込み。また、前月比でも販売台数は上向いている。さらにサービス部門の計数も同様に上回りそう。米国の関税引上げの影響は完全に見通せないものの、現在は小康状態であるためやや回復傾向となっている」(□不変)
住宅情報誌編集者「新築マンション、新築戸建て住宅ともに建築費の上昇が続いている。販売価格の高騰は今後も続く見込みであり、高価格帯の富裕層向け物件は引き続き堅調に動いているが、低価格帯の物件は苦戦するケースも多い」(□不変)
百貨店宣伝「国内売上は前年並みと堅調だが、インバウンド売上が前年を下回っている。大阪・関西万博の開幕後、来客数、免税件数共に増えたが、前年にインバウンド売上をけん引していた中国人客の客単価が半減。食料品や雑貨などの土産品は欧米客に人気だが、前年に中国人客に売れていたラグジュアリー関連が不振」(▲やや悪)
観光型旅館経営者「近隣でもインバウンドを含め、お客は来るところには来ているが、少し離れると来なくなる。以前からその格差の兆しはあったが、ここへきて顕著に出てきている」(▲やや悪)
スーパー店員「野菜の価格がかなり下がったため、買いやすくなっている」(〇やや良)
家電量販店経営者「こどもみらい住宅支援事業や給湯省エネ2025事業が正式にスタートし、リフォームや省エネ型給湯器の引き合いが増えている」(〇やや良)
衣料品専門店経営者「食料品などの物価上昇のため、女性は洋服の購入を後回しにしており、特に高齢者の来客数が極端に減っている」(×悪)
一般小売店[時計](経営者)「今月は、時計の修理や分解掃除の依頼が多かった。昭和初期の手巻きのゼンマイ時計でかなり古いが、価値のある物をいくつか扱った。当然、代金は高額となるが、数世代も使える部分に価値を見いだし、若い人が修理を依頼してきたことがうれしかった。新しい物もよいが、従来の定番品が見直されてきたことで、売上の増加につながっている」(◎良)