米価が1.5倍から2倍になっても、給料は…

続いて甲信越の景気ウォッチャーたちによる先行き判断の理由のコメントを深掘りしていく。まずは家計動向関連で先行き判断コメントが多かった順(□不変、▲やや悪、○やや良、以下略)に見ていこう。

観光型旅館経営者「例年この時期は地元の総会などの需要がそこそこあったが、コロナ禍以降、こうした会合の予約がほぼ消滅。一方で、首都圏からの宿泊客の予約が増加していて、単価を上げているにもかかわらず、それなりに動きも良い。トータルして、現状同様にやや良い状況は変わらないとみている」(□不変)

スーパー経営者「来年4月までは売上、来客数ともに前年を上回る予定である。4月決算がまだ確定していないが、今期は4月が良いため多少黒字になるとありがたい。来期は必ず良くなると信じている」(□不変)

その他専門店[酒]店長「2~3カ月後は、本来なら売上は伸びるはずだが、諸物価上昇、特に米価が1.5倍から2倍になっており、これが当店がメインに扱っている日本酒に対する印象にも関わってきている。今後がどのような状況になるか、日本酒に対しても不透明なところがある。お客の給料は1.5倍から2倍になるわけではないので、飲食店も価格転嫁が難しい状況ではないかと考える。今後さらなる物価上昇が起きるとまだしばらく厳しい状況となる」(▲やや悪)

スナック経営者「物価上昇により景気が悪くなったのは間違いないが、ずっと据え置いてきた商材価格を見直せるようになった面もあるため、利益は残せるようになってきている。デフレより、かなり好ましい状況」(○やや良)

都市型ホテルスタッフ「予約が埋まっている上に、値上げ効果で売上も増えている」(◎良)