インバウンドで最高益 今期は万博で増収もコスト増で減益予想
次に業績を解説します。
ヒトの運送が中心のJR東海は、コロナ禍で大きなダメージを受けました。新幹線を中心に運輸収入が急減し、21年3月期は民営化以降で初の赤字に転落します。最終赤字は翌22年3月期も続きました。
コロナが収束するにつれ、JR東海の業績も回復します。直近の25年3月期は過去最高の純利益を計上しました。外国人観光客の増加から、運輸収入はコロナ前を上回って過去最高に達し、利益を大きく押し上げました。
今期(26年3月期)は増収減益の計画です。売り上げは下期で前期並みを予想する一方で、上期は万博の効果などから増加を見込みます。しかし、売り上げよりも営業費が増える見通しから、利益は減少する想定です。営業費は、主にリニア新幹線の技術開発費や新幹線車両の検査修繕費、人件費で増加を見込みます。
【JR東海の業績予想(2026年3月期)】
・営業収益:1兆8650億円(+1.8%)
・営業利益:6670億円(-5.1%)
・純利益:4230億円(-7.7%)
※()は前期比
※2025年3月期時点における同社の予想
出所:JR東海 決算短信