「新卒者給与を上げたくても難しい」理由は?

企業動向関連では自社のみならず取引先の動向などを踏まえた声が聞かれた。

金融業従業員「製造業では原材料価格高騰や物価高による悪影響の度合いが強まっている。非製造業では、観光需要を取り込むことで業況が改善傾向にあるものの、人手不足により販売機会の損失が生じているとの話も。これらから現状の景気はやや悪くなっている」(▲やや悪)

輸送業営業担当「倉庫関係ではバターの保管量が堅調に推移。本州向けの生乳は取扱量がなかなか回復してこないが、まずまずの状況。紙パルプ関連も引き続き好調。全国的に荷動きが出ていることで本州向けの雑貨トレーラー輸送も順調」(○やや良)

コピーサービス業従業員「取引先の状況に大きな変化はみられない。また、変化が出てくるような兆しもみられない」(□不変)

食料品製造業従業員「5月の販売量が前年比プラス25%に対して、3カ月前の2月の販売量は前年比プラス9%であったことから、景気は良くなっている」(◎良)

一方、雇用関連では景気は変わらないとの回答が多かった。代表として以下のようなコメントが挙げられた。

職業安定所職員「総じて賃上げの動きがみられるものの、企業努力には限界がある。地元企業からは、人材確保の観点から、新卒者の賃金を上げたいが、社内構造の問題から対応が難しいという声も聞かれる」(□不変)

いずれも景気の現状は前月比でプラスの北海道だが、今後はどうなるのか。

●北海道の景気の先行きは? 後編「【北海道の景気の先行きは?】景気見通し大幅プラス、「コメの価格下落で景気が上向く」理由とは「2025年6月公表最新調査」」 にて詳報する。

調査概要 調査名:景気ウォッチャー調査(令和7年5月調査) 調査公表:2025年6月9日 調査主体:内閣府 調査対象地域:北海道、東北、北関東、南関東、甲信越、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄2050人 実施期間:毎月25日~月末