買物のめりはり鮮烈「必要なものにはお金をかける」
続いて北海道の景気ウォッチャーたちによる現状判断の理由のコメントを深掘りしていく。
まずは家計動向関連で現状判断コメントが多かった順(□不変、○やや良い、▲やや悪、以下略)に見ていこう。
高級レストランスタッフ「昼食の動きが良かったことから5月売上は前年並み見込み。夕食は振り客が少なく、限られた予約客のみの利用にとどまり、全体的になじみ地元客の利用が減っている。食材は輸入品を中心に仕入価格の高騰が止まらない。一方、地元の高級飲食店などが北海道産の高級魚の利用を控えたことで、通常よりも安値で仕入れることができる週もある。漁業者や卸会社にとっては厳しいのかもしれないが、安く購入できた高級魚を客にアピールして、適正価格で販売していきたい」(□不変)
スーパー店長「気温がそれほど上がっておらず、衣料品などの季節商材の動きは今一つ。一方、ランドセルなど、購入する必要のある商材の動き出しは早い。お客は不要不急の買物は先送りするが、必要な買物にはしっかりとお金を掛けている」(□不変)
タクシー運転手「冬季と比べるとタクシーの利用が減っている。5月のタクシー1台当たりの売上は冬季を20%ほど下回っている。ただし、当社は乗務員の採用に注力した効果でドライバーが前年よりも30%増えており、タクシーの稼働台数が前年比で30%増加。1台当たり売上も前年を上回っていることから、5月の売上は前年比プラス45%」(▲やや悪)
商店街代表者「物価の高騰やガソリン価格の高騰により、お客の消費が著しく減少。生活防衛意識の高まりで外出機会も激減、来客数が大幅減。特に飲食店は米や燃料、原材料の価格高騰の影響が大きく、価格転嫁せざるを得ない状況。一方、価格が上がってしまうことで大人数や家族での利用が大きく減少するといった影響も」(▲やや悪)
一般小売店〔土産〕経営者「5月の売上は2024年比で119.2%、2023年比で156.7%、2022年比で279.4%、2021年比で1205.1%、2020年比で3707.5%、2019年比で113.8%。客船の寄港が4隻あったこともプラス」(○やや良)
衣料品専門店(店長)「春のピークが過ぎ、夏のクールビス商戦に向かう時期だが、お客の価格に対する反応がシビア。お客の様子をみると、米の価格に対する反応よりも厳しくなっていると感じるほどであり、衣料品業界は様々なコストの上昇による価格転嫁を認めてもらえない状況にあるのではないかと危惧」(×悪)