調査から見える実態 「育児休業」の最長期間はどれくらい?

参考にするのは、2025年5月21日に厚生労働省が発表した「令和6年賃金事情等総合調査」における「令和6年労働時間、休日・休暇調査」だ。全国の資本金5億円以上かつ労働者1000人以上の企業380社を対象と主対象とし、そのうち231社から回答を得ている(回収率60.8%)。

この調査では企業の労働時間や休日数、年次有給休暇の取得状況などについて様々なデータが公表されているが、特に育児休業に関する項目を焦点に見ていこう。

同調査では、企業に育児休業を取ることができる制度上の最長期間を聞いている。結果は「子が1歳6か月を超え2歳になるまで」が51.3%で最多。集計企業160社のうち82社がこの期間を設定しており、過半数超えとなった。この結果から、育児休業の標準的な最長期間は「子が2歳になるまで」といえそうだ。

次に多いのは「子が2歳を超え3歳になるまで」で29.4%(同47社)であり、約3割の企業で「3歳になるまで」という期間を設定している。なお「3歳を超えても取得できる」企業も10.6%(同17社)と1割ほど存在する。

出所:厚生労働省「令和6年労働時間、休日・休暇調査」

なお育児休業期間は、原則として子どもが1歳に達する日までと育児・介護休業法で定められている。ただし、保育所に入所できないなど一定の要件を満たせば1歳6カ月まで、さらに最長で2歳まで延長が可能だ。また、父母がともに育児休業を取得する場合は同法の特例「パパ・ママ育休プラス」制度により最大1歳2カ月まで延長できる。

調査結果からは、全社で法定の1年は超えており、要件を満たす場合の最長2年までの企業が50%超、さらに法定以上も約40%という子育て支援に手厚い潮流がうかがえた。