機能材に強み、世界シェア首位の製品多数 石化製品は再構築中

三井化学は化学製品の総合メーカーです。1912年に当時の三井鉱山(現・日本コークス工業)が開始した石炭化学事業を源流に持ちます。戦後は石炭に代わり石油由来の化学製品で成長してきました。グループ企業には歯科材料・機器の松風などを有します。

三井化学の強みは機能材です。特徴のある機能を持たせた製品群で、特に自動車向けやエレクトロニクス向けで高いシェアを持ちます。これらを含む「ライフ&ヘルスケア・ソリューション」と「モビリティソリューション」、そして「ICTソリューション」は成長領域に位置付けられています。

【三井化学の主な世界シェア高位の製品】

・プラスチックメガネレンズ材料:世界シェア1位
・自動車バンパー・インパネ用材料:同2位
・半導体製造工程用テープ:同1位
・スマホ用カメラレンズ材料:同1位
・フォトマスク用防塵カバー:同1位

出所:三井化学 統合報告書

一方、石油化学製品などの「ベーシック&グリーン・マテリアルズ」は構造改革中です。エチレンやポリオレフィンの生産能力は国内有数ですが、市況の影響もあり、利益ベースの存在感は薄れてきています。同事業は需要に見合った生産能力へ最適化を図り、収益の改善を目指します。

【三井化学のセグメント情報(2025年3月期)】 

 

※コア営業利益…営業利益から非経常的な要因により発生した損益を控除したもの

出所:三井化学 決算短信