「分配型ファンド」とはどんなファンド?
「世界のベスト」は、最初は年2回決算型として設定された。毎月分配型に決算頻度が変更されたのは2017年からだ。そして、2020年以降「毎月150円の分配金」が定着した。
◆設定来の動き、設定来の分配金合計は1万8100円
設定来約19年で分配金(課税前)を算入した基準価額(再投資効果を考慮せず)は約2万5000円となり、資産価値は約2.5倍になった。これに対して分配金を払い出した後の基準価額は約8000円であり、累計の分配金は1万8100円となっている。
資産形成を目的に投資を始めて20年が経過し、たとえ分配金を受け取っていたにしても残りの基準価額が投資開始当初からマイナスの水準であったら、「これから老後を迎える」というタイミングでは不満の残る成績といえるだろう。ところが、分配金を払い出さない場合は、2.5倍に増えた。この着地地点での大きな資産価値の差が、毎月決算型ファンドを新NISAから除外させた大きな動機になっている。
◆毎月決算型になって以降の動き
「世界のベスト」が毎月決算型に移行した2017年は、運用成績と分配金額の関係が適合せず、分配金払出後の基準価額は半値以下の水準に低迷することになった。毎月決算型に変更して以降、運用成績(分配金込み基準価額)は横ばいで推移する中で、毎月の分配金を払い出すことによって基準価額が一方的に下落した。そのような低迷の時代を経て、2020年4月以降にパフォーマンスが向上し出すと、分配金を払い出しながらも基準価額は横ばいになった。
◆現在の運用チームが担当する2020年4月以降のパフォーマンス
2020年4月以降は、毎月安定的に10000口当たり150円の分配金を払い出しながら、基準価額は横ばい圏をキープできている。2020年3月末を1万円とすると、常に基準価額は1万円を上回り、かつ、毎月150円(年間1800円)の分配金を払い出し続けることができた。年金生活者として考えると、同ファンドを500万円保有していると、毎月7万5000円(税抜き6万円)の分配金を受け取り、元本は5年たっても変わらないというのは、非常にありがたいと感じられるだろう。毎月決算型の望ましいパフォーマンスといえる。