若年層は「SNS」、高年齢層は「制度拡充」が1位
特に年齢が若い層ほど「SNS・インターネット」をきっかけに始めたという回答率が占める割合が高く、年代別で見ると男女とも40代までで1位を占めている。反対に50代以上の1位は、60代女性を除き男女とも「新NISAで制度が大幅に改善されたと知って」。見事に年代ではっきりと傾向が分かれた(ちなみに60代女性は「NISAを取り上げたテレビ番組を見て」が1位)。
その他の項目でも世代別に顕著な違いが現れた。年齢が若い層ほど「家族・親戚・友人・知人(周囲の人々)に勧められて」や「家族・親戚・友人・知人(周囲の人々)がNISAを始めたと聞いて」の回答率が高くなる傾向があり、身近な人々のすすめや情報が若年層の新NISA開始を後押ししているようだ。
逆に年齢が高い層ほど、「NISAを取り上げたテレビ番組を見て」、「新聞・雑誌でNISAに関する記事を見て」や「銀行やその他の金融機関に勧められて」が高くなる傾向にある。こちらは公的な情報や専門的な知識、有識者の意見などを参考に新NSIA開始を決めた様子がうかがえる。
このように調査結果からは新NISAを始めるきっかけは多様であることが分かった。しかし、どの年代・性別においても、運用における正確な金融知識が重要となることに変わりはない。そのために欠かせないのが金融経済教育を受けることであり、より賢明な投資判断に役立つ。例えば、SNS等の情報を鵜呑みにせず自分で判断する力や、家族や知人からのアドバイスを客観的に検討する能力を磨くことができる。また、専門家の助言をより深く理解し、自分の状況に適用する力も養える。新しい金融商品や制度について学ぶことでより豊かな老後生活の実現につながるだろう。
●新NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠があり、投資できる商品や金額上限には違いがある。どんな効果を期待して各枠を利用し始めたのか。中編「7610人が答えた、私たちが新NISA「つみたて投資枠」を始めた理由ランキング」にて詳報する。
調査概要:「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」 調査主体:日本証券業協会 調査対象:2024年に新NISAで金融商品を購入した7610人 調査時期:2025年1月 調査方法:インターネット調査