理事長就任を機に判明した割高な費用の数々

ほかにも、自分が理事長になって気づいたことがたくさんありました。定期点検などの業者はいつも同じで小規模マンションの割には料金が高いこと、さらに、ちょうど火災保険の見直しのタイミングだったのですが、私がネットなどで調べて保険料が安い保険会社を提案したら、管理会社の担当者から「当社はその会社と代理店契約を結んでいないので、どうしてもその会社がいいということでしたら管理組合として契約してください」と言われてしまいました。

私のマンションの入居者は30代の若い人が多く、世間的にはなり手不足と言われる管理組合の活動にも比較的熱心です。理事会に出ても、管理適正評価制度や修繕積立金の運用などの質問が相次ぐのですが、管理会社の担当者はそれにもほとんど答えられません。こんな状態で、このマンションは大丈夫なのだろうかという不安が日に日に強まっていきました。

折も折、理事の一人から神奈川県のタワーマンションで管理組合が住民から資産運用のプロを募って自発的に修繕積立金を運用し、相当な運用益を出したという話を聞き、「管理会社任せでなく、自分たちが動かないとダメだ」と思うようになりました。そんな時に知り合ったのが、マンション管理士の資格を持つ能代さん(仮名)でした。

●能代さんをコンサルに迎えた管理組合の結末は? 後編【「自分たちが動かないとダメだ」大手管理会社へ不信感を抱いた64歳男性、新米理事長として始めたマンション再生物語】 で詳説します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。