「管理会社ランキング上位」の実態は…
ただ、何年か暮らしている中で気になっていたのが、マンションの管理会社でした。3階建て20戸の小規模マンションですが、販売したのは大手不動産会社で、当初からその系列会社が管理会社を務めてきました。
雑誌の管理会社ランキングなどでは常に上位を占める会社なので安心して任せられると思っていましたが、実際に管理の様子を見ていると結構粗が目立ちました。常駐の管理人はほぼ1年ごとにころころ変わり、遅刻や早退も少なくないようで、あまり業務に熱心には見えませんでした。
管理会社の担当者も入社後数年の若者で、総会の時など返事はいいのですが、当時の理事長が「うちのような小規模マンションは売り上げにつながらないから優先順位が低いらしく、積極的に動いてくれない」とこぼしていました。
私のマンションの管理組合は2年ずつ持ち回りで理事を務めることになっていて、昨年、初めて理事長職が回ってきたのを機に私自身もいろいろ調べてみることにしました。定年後も雇用延長で働いてはいましたが、コロナ禍以降は在宅勤務が増えていたこともあり、正直、時間はたっぷりあったのです。
私が気になっていたのは、マンションの運営でした。どこもそうだと聞きますが、販売時には管理費や修繕積立金が低く設定されています。ですから、私のマンションでも既に1度値上げをしたのに、最近の物価上昇を受けて2度目の値上げが議題に上がっています。
まだ新しく世帯数も少ないので滞納こそ発生していませんが、非効率的だと思う点が幾つかありました。例えば、空きばかりの駐車場です。そもそも20戸しかない都内のマンションに8台分もの駐車スペースを作って駐車場代で儲けようという発想自体がおかしいと思うのですが、この駐車場の利用料が周辺と比べても明らかに高く、入居者さえほかの駐車場を契約するほどでした。
空きばかりの駐車場問題は早くから理事会でも問題視されていたものの、理事からの一部を駐輪場に改築したらどうかという提案に対しても、管理会社の担当者は「駐車場の構造が複雑のため工事費用がかかる」などと逃げ腰で、身のある計画を示してはくれないようでした。