今こそ見直したい投資の鉄則「資産分散」

ただ、こうした精神的な負担を和らげるためには、「資産の分散」が有効になり得る。現在、多くの人は全世界株式インデックス中心の投資をしているようだが、本来は株式だけではなく他の資産にも分散する必要があるのだ。

インデックス投資を普及させた張本人でもあるブラックロックCEOのラリー・フィンク氏は最新の年次書簡で、従来の60%株式・40%債券という資産配分はもはや機能しにくくなっていると指摘し、プライベート資産を組み入れる新たな資産配分を提唱している。

ブラックロックCEOラリー・フィンク氏の最新推奨ポートフォリオ

出所:筆者作成
 

機関投資家の間ではすでに一般的となりつつあるプライベート資産の組み入れは、いまや個人投資家の間にも徐々に浸透し始めている。

筆者は今回の株式市場の下落が本格的な下げ相場に突入するかどうかを予測するわけではない。しかし「資産の分散」が下落相場への「備え」として、短期的な損失度合いを軽減し、投資家の心理的安定をもたらす可能性を、改めて主張したい。