はじめに
最近、ChatGPTを開発したOpenAIの社長、サム・アルトマン氏が、自身のブログでAIが人間のような汎用人工知能(AGI)を持つようになったときに社会や経済がどう変わるかについて言及していました。
そこには、投資の観点から非常に興味深いコメントがあり、「知能とエネルギーの制約が外れることにより、多くの製品やサービスの価格は劇的に下がり、逆にラグジュアリーな物や希少資産、例えば土地などはさらに劇的に値上がりするかもしれない」という趣旨のことを述べているのです。
ここでは、このコメントが意味する背景を考察するとともに、もしAGIによって生産性が飛躍的に高まる未来が訪れたら、具体的にどんな資産クラスが有望となり得るのかを想像してみたいと思います。
もちろん、これはまだ誰も経験したことのない世界の話ですし、今すぐの投資戦略につながるかどうかは保証できません。かつてインターネットが普及しはじめたころ、「遠隔で働けるなら人々は郊外へ分散していくはず」という予想がありましたが、実際は都市部への人口集中がさらに強まった例もあるように、未来は予測が難しいものです。とはいえ、「AGI時代にどのようなものに価値が移るのか」を考えることは、今後の資産選択を検討するうえでも面白いヒントを与えてくれるかもしれません。