3. 知的財産への期待

そして、AGI時代にもう一つ注目される可能性があるのが、知的財産(IP)です。

キャラクターや物語、オリジナルな世界観など、唯一無二のコンテンツはAIが高度化しても希少性を保ちやすく、むしろAI技術を活用することで新たな展開が広がる可能性があります。

例えば、メタバースやAI翻訳・生成ツールと連動して、世界規模でコンテンツを発信しやすくなり、ライセンス収益やファンダム(ファンの世界)の拡大が見込まれるかもしれません。

IPの強みは、その“物語”や“世界観”を核に多角的なビジネスが展開できる点にあります。AGIの登場によって創作の在り方やメディアの形態が変わったとしても、人間の感性に基づく“唯一性”を持つIPには揺るがない価値があるのではないでしょうか。

4. 未来は予測不能。だが、普遍的価値を保つものはある

もちろん、AGIがいつどのように到来し、その影響がどこまで波及するかは分かりません。技術革命は常に予想外の方向へと社会を変える可能性を秘めています。

それでも、AIによる生産性の劇的な向上というシナリオが現実味を帯びてきている今、「あらゆるモノやサービスが低コスト化すれば、希少性を持つ資産や体験に資金が集中するかもしれない」という見方は、一考に値するのではないでしょうか。

きわめて安価にはならない「特別な価値」や「唯一無二のブランド」には、依然として人々の関心や需要が集まり続ける可能性があるからです。