オール・カントリーが向いている人
もちろん、オール・カントリーが悪いと言っているのではありません。コア・ポートフォリオの運用リスクを低めにしたいという人にとっては、オール・カントリーはベターな選択肢だと思います。特にこれから資産運用を始めるから、できればリスクの低い投資対象を選びたいと考えている人には、私が提案するSNEポートフォリオよりも、オール・カントリーのほうが向いているかもしれません。
でも、資産運用をもっと前向きに捉えて、多少高めのリスクがあることは承知のうえで、少しでも高いリターンを得たいと考えている人には、SNEポートフォリオが適していると思います。
まずS&P500は米国を代表する株価インデックスで、非常に厳格な基準に基づいて、構成銘柄にするかどうかが決められています。実際、この株価インデックスに組み入れられている銘柄は、米国のなかでもピカ一の企業ばかりです。比率の上位から10銘柄を挙げると、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アルファベット(グーグル)、アマゾンドットコム、メタ・プラットフォームズ、バークシャー・ハサウェイ、ブロードコム、イーライ・リリーといった具合に、誰もが名前を聞いたことのある企業ばかりが挙がってきます。
いずれも進取の気質に富んでおり、米国だけでなく世界経済をけん引するような企業ばかりです。世界経済が成長していくなかで、これらの企業は長期的な成長が期待できます。
※1 コア・サテライトとはコア・ポートフォリオとサテライト・ポートフォリオに分けて全体のポートフォリオを構築する方法です。コア・ポートフォリオは、S&P500など市場平均並みのリターンを取りに行く部分であり、サテライト・ポートフォリオは市場平均プラスアルファのリターンを取りに行く部分と考えていただければ良いでしょう。
本当に資産を増やす米国株投資
著者名 岡元 兵八郎
発行元 ビジネス社
価格 1,760円(税込)