トランプ関税どうなる
ここからは今週最後のアジェンダとして株を少し振り返りたいと思います。
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まず日経平均株価です。直近1カ月は非常に軟調に推移していました。今週もさえませんでしたね。
材料の一つは米国の自動車関税です。4月2日ごろに詳細を公表するとされており、具体的にはトランプ氏は一律25%の関税を課す可能性について発言しています。
それから金利の上昇と円高。これらの要因が折り重なり日経平均3万9000円割れの状況になっています。
ここで自動車関税が25%かけられた場合の円相場への影響についても考えたいと思います。
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結論から言えば、自動車セクターの株式相場にとっては下押し材料になると思います。
ただ、25%の関税がかけられた場合は自動車の対米輸出が減ります。また、日本の自動車メーカーとしては、現地の生産比率を高めるため、本来であれば米国で工場建設をしなければならないという話になるはずです。
自動車は日本最大の輸出品目ですから、輸出代金をドルで受け取り、それを円に換えると円高圧力になります。
ところが、日本から自動車の輸出が減るのであれば、この円高圧力が減衰することになります。
また、生産拠点を米国にどんどん増やすことは米国に対して投資をするということです。
元手の円を為替市場で売却しドルを買って投資をするのであれば、これもドル高円安圧力が増幅されることになります。
もちろん、日本の自動車メーカーによる米国への直接投資は数年、長ければ10年スパンで行われるプロジェクトになるはずです。
トランプ氏が関税をかけるのですぐに米国に工場を建てる、ということにはならないでしょう。
それでもお伝えしたいのは、自動車への関税賦課は為替に関して言えば、円高ではなく、本来は円安の圧力になるということです。この点は今後非常に重要ではないかと思います。