逆風を糧(かて)に「良い方向に向かっている分野」とは
一方、調査では「良い方向に向かっている分野」についても聞いている。回答率が最も高かったのは「医療・福祉」で27.1%。
年代別では、医療・福祉の恩恵を受けている人が比較的多いと思われる「70歳以上」の高齢層が36.9%と最も高かった。一方で2番目に高いのは「18~29歳」の若年層だった。
次いで良い方向に向かっているとして回答率が高かったのが「防災」(18.8%)。ただし、前回調査と比較すると減っている。今回の調査は2024年10月に実施されたが、同年は元旦から能登半島地震の発生や、その後も台風、大雨による大型災害などがあったことが影響しているとみられる。
また、ここ数年で回答率が大きく増加したのが「雇用・労働条件」(14.5%)。コロナ禍の2021年は6.4%に過ぎなかったが、その後は経済活動の再開に伴う人手不足などもあってか、毎年増加している。
調査からは物価など、人々が悪い方向に向かっていると感じている項目もあれば、逆に良い方向に向かっていると感じている項目もあることが分かる。悪いこともあれば良いこともあるのが社会だ。調査ではそんな社会において、人とのつながり、望ましい地域での付き合いの程度についても聞いている。