◆資金流入額ランキング・トップ10は全て「外国株式型」

際立って大きな資金流入となった「外国株式型」では、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」に続いて「iFreeNEXT FANG+インデックス」への資金流入(約1097億円)が目立った。「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信 Dコース(為替ヘッジなし、毎月決算、予想分配金提示型)」にも1054億円という大きな資金流入が続いているが、トップ3はインデックスファンドで固まった。

また、資金流入額の増加で目を引くのは、流入額ランキングで第9位になった「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」だ。1月の流入額は約343億円と直近3カ月の合計634億円の半分に相当する。アライアンス・バーンスタインの「米国成長株」、インベスコの「世界のベスト」に続く人気銘柄として「宇宙関連株」が定着するものか、今後の動向が注目される。

一方、資金流出額の上位には「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」(流出額は約104億円)、「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジなし)」(同104億円)、「グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンド」(同98億円)などが並んだが、いずれも流出額の規模が小さかった。

◆パフォーマンス上位には「為替ヘッジあり」

個別ファンドの月間騰落率(ブル・ベア型、通貨選択型を除く)では、「外国株式型」の「ブラックロック・ゴールドメタルA(為替ヘッジ付き)」の12.88%がトップだった。次いで、「グローバル・フィンテック株式ファンド(ヘッジあり、年2回)」の10.60%、「グローバル・フィンテック株式ファンド(ヘッジあり、年1回)」の10.37%、「ブラックロック・ゴールドメタルB(為替ヘッジなし)」の10.17%。そして、「エマージング株式型」の「HSBCブラジルオープン」の10.15%が続いた。

「外国株式型」では「為替ヘッジあり」の方が高いパフォーマンスになった。1月のドル円は、年末の1ドル=156.23円が1月末には154.71円へとやや円高が進んだ。1月24日に日銀が0.5%への利上げを実施するなど日銀の政策は金融引き締めを志向し、反対に米FRBは金融緩和の方向にある。政策金利の変更については、そのタイミングや変更幅についてさまざまな可能性がある。ただ、日本が超低金利を維持してきた状態とは異なる金融環境となり、これまでのように円安方向に振れやすいということはなくなってきている。今後、期間によっては円高の局面も現れることに留意しておきたい。

◆「フィデリティ・グロース・オポチュニティ」が分配金利回りでトップ

分配金利回りのトップは前月に続いて「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド D」の34.98%だった。利回りの水準は前月の36.07%からやや低下した。第2位も前月同様に「JPMアメリカ成長株ファンド(ヘッジなし、毎月)予想分配金提示型」の31.39%だった。前月3位の「GS日本株・プラス(通貨分散コース)」は28.09%で第5位に後退した。前月第4位だった「フィデリティ・米国株式ファンド F」が29.13%で第3位に、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 D」が28.27%で第4位に上がった。

執筆/ライター・記者 徳永 浩