楽天証券の投信売れ筋ランキングの2025年1月のトップ3は前月と同様に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」だった。前月に第4位だった「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」は第7位に後退し、前月第6位だった「iFreeNEXT FANG+インデックス」が第4位に浮上した。前月第9位だった「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」がトップ10圏外に落ちたため、トップ10はインデックスファンドのみのラインナップになった。
◆売れ筋トップ10をインデックスファンドが席巻
楽天証券の売れ筋ランキングのトップ10は全てインデックスファンドになった。新NISAのスタートによって長期・積立投資が主要な投資手段となり、低コストなインデックスファンドが選ばれやすい環境になっていることが大きな理由と考えられる。また、「eMAXIS Slim」シリーズの他、「楽天・プラス」シリーズ、「楽天」シリーズと、インデックスファンドのシリーズが多いのも背景にあるだろう。
1月のトップ10では「S&P500」に連動するインデックスファンドが2本、「全世界株式(オール・カントリー)」に連動するファンドが3本もある(うち1本はFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動するため値動きはやや異なる)。それぞれのファンドについて顧客(投資家)にブランドへの愛着があれば良いのだが、たとえば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」について異なる投資目的で保有するような投資家がいるようことは起きないようにしたい。
楽天証券の投信取り扱い銘柄数は2582本もある。たとえば、「投信スーパーサーチ」で「S&P500」というワードで検索すると、23本ものファンドがヒットする。管理費用(信託報酬等)で低い順番にランキングすると、0.077%の「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」、そして、0.0814%の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が続く。第3位の費用は0.09372%だ。また、「S&P500」で検索したファンドの中には「S&P500トップ10」や「S&P500配当貴族」など「S&P500」とは性格が異なり、値動きも違うファンドも一覧で並ぶ。個々のファンドについては、「名前」や手数料水準だけでなく、十分に内容を理解した上で投資判断をしたい。
楽天証券の投信取り扱いページには、「ライフプランにあった資産づくりの方法」「分散投資のすすめ」などの投資方法のアイデアの掲載の他、ファンドを探すうえでも「キーワードから探す」「優秀ファンドから探す」などが選べる工夫が凝らされている。その他、その時々のトピックスを特集として紹介するなど投信を選ぶうえでの様々な情報提供に努めている。しかし、「売れ筋ランキング」というのは、投信を選ぶ際の重要な情報の一つになっている。その中身が似たようなインデックスファンドばかりになってしまっているのは残念に思える。