管理職ならではの悩み、解決につながる方法は? 

管理職になると、どのような悩みと直面するのだろうか。気になる結果は次のとおり。

出所:株式会社マイナビ「管理職の悩みと実態調査」

管理職としての悩みは、「マネージャー業務の負荷が高い」(28.1%)が最多。年収がアップする一方で求められる責任が重くなり、業務負担が増す様子が見て取れる。

さらに「パワハラなど、ハラスメントと言われるのを避けたい」(27.0%)、「部下が成長しない・成長が遅い」(24.0%)と続き、「孤独感を感じる」(17.8%)、「部下を信頼できない」(15.6%)といった切実な悩みも。部下育成や人間関係の難しさに苦労している様子がうかがえる。

こうした状況を受けてか、同アンケート結果によれば、昇格を希望する人は約半数(50.9%)にとどまる。次長、課長、係長・チーム長の各クラスでは、「管理職を辞めたい」と考えている人も約2割いることが分かった。

では企業として、「管理職という働き方も良い」と感じてもらうために、どのような取り組みができるだろうか。ヒントとなるのが次のアンケート結果だ。

出所:株式会社マイナビ「管理職の悩みと実態調査」

「希望するサポートや制度の変更」に関する質問で、回答が最も多かったのは「管理職手当の増額(支給)」(40.1%)。そして次に「残業手当の支給」(21.6%)が挙がった。この結果からは、管理職としての努力が正当に評価される仕組みが重要であると推測される。

企業としては、手当の増額や残業手当の支給といった金銭的サポートを検討することで、管理職の負担感を軽減し、モチベーションの向上につなげることができるのではないだろうか。

ここまで見てきたように、管理職への昇進は年収アップが期待でき、資産形成を進めるにあたっても有効な手段となりそうだ。ただしその一方で、管理職ならではの悩みと直面するという現実もある。働く側と企業の双方が課題を共有し、管理職の負担を軽減するための適切なサポート制度を整備することが、双方にとってより良い未来を築くカギとなるだろう。

《調査概要》 調査名:「管理職の悩みと実態調査」調査主体:株式会社マイナビ『マイナビ転職』 調査期間:2024年9月20日~9月26日 有効回答数:800名(内訳:20代51名・30代349名・40代50代各200名) 調査対象:20~50代の会社勤務の管理職 ※主任・プロジェクトリーダーを除く 調査方法:WEB調査