管理職の満足度を調査! 係長と本部長でこんなに違う?
管理職になり給与が上がるということは、会社におけるステップアップを意味する。しかし近年では、職場のハラスメント問題や働き方改革といった課題もあり、「管理職になりたくない」と考える人も増えているようだ。
実際のところ管理職になった人は、昇進をどう捉えているのだろうか。株式会社マイナビが800人の管理職を対象にアンケート調査を実施。「管理職になって良かったと感じるか?」と尋ねたところ、約6割(60.8%)が「良かった」と感じていることが分かった。
注目すべきは、管理職の役職ごとに回答に差がある点だ。調査結果を役職別に分けると、次のような傾向が見られる。
係長・チーム長クラスでは「良かった」と感じている人は、約半数にとどまる。一方で本部長クラスだと、8割に達するという結果に。役職が上がるほど、「管理職になって良かった」と感じる人が多い傾向にあることが分かる。
さらに同アンケートでは、「管理職になって良かったこと」を自由回答で質問。「部下の成長に喜びを感じる」「自分の課を持ってある程度自由な采配ができる」「給料面での余裕で家庭も安定する」などの声が挙がった。やりがいや自己実現の喜びと同時に、やはり金銭面での満足度も高いようだ。
「管理職になって良かった」は年収次第? 収入と満足度の関係
では管理職になると、年収はどう変わるのだろうか。同アンケートの結果を見ると、年収が上がったのは約8割(80.6%)に及ぶ。
なお変化額の中央値は「100万円増」。中央値であるため、平均値と違って極端な値の影響を受けにくい。管理職への昇進は同調査の対象者の多くにとって、約100万円の収入アップにつながったと捉えて良さそうだ。
興味深いのが、“年収変化”と“満足度”の相関関係だ。「管理職になって良かった」と回答した人の年収中央値は700万円、一方で「良かったと思わない」人は550万円という結果に。その差は150万円と開いており、管理職に昇進して満足するか否かは、給与が大きく影響している可能性がある。
なお、管理職としての変化は年収アップのように、必ずしも全てがプラスではない。その様子を示すのが次のアンケート結果だ。
管理職になってからのネガティブな変化に関する質問において、最も多かった回答は「仕事の比重が増えた」(75.8%)。さらに仕事量の増加と関連してか、7割近い人(68.9%)が「心身の健康が損なわれた」と回答している。
さらには「プライベートや家族との時間を楽しめなくなった」(55.4%)、「転職を考えるようになった」(43.5%)との回答も。心身や私生活とのバランスに苦慮しながら、管理職をまっとうしている人が少なからずいるようだ。